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ヘレン

多分小4の夏休みだったと思う。飼っていた犬に酷い死に方をさせてしまった。

小学生の頃までは毎年夏休みはお爺ちゃんの家に行くという決まりがあって、それでおばさんの家へ車で犬を預けに行く途中だった。

 

犬は車の窓から顔を出していた。犬が車の窓から顔を出している光景は結構よく見るし、だから大丈夫だと思ってたのかもしれない。その犬は車が走っている途中で急に窓から飛び出してしまった。急いで車から出て家族皆で駆けつけると、既に血まみれになっていて、すごくショックを受けた。記憶が曖昧だけどその時はまだ辛うじてギリギリ生きていて、最後に尻尾を振ってくれたような気がする。

 

その後は父さんが大きいゴミ袋に犬を入れて、私と一緒に空き地に埋めに行った。あっという間の出来事だったから現実感がなかったけど後後悲しさがこみ上げてきて布団でずっと何日か泣いていた。

 

その犬は私がヘレンと名前をつけていた。丁度その時期、「子ぎつねヘレン」という映画を観た後だった。ヘレンは多分雑種だったけど色合いや見た目が何処となくキツネに似ているな〜と思ってつけたんだったと思う。

 

ヘレンの事は綺麗さっぱり忘れていたという訳ではないけど、最近自分の部屋を掃除していてその頃持っていた水色のジュニア携帯を見つけて、それにヘレンの画像やムービーが入っていたのを見て綺麗に思い出した。

 

私は小さい頃から友達がおらず、写真も嫌いだったからか自分のデータは一枚もなくデータフォルタの大半がヘレンの画像やムービーで埋められていた。それを見ていると、「あの時車の窓から顔を出させていたりしなければヘレンはまだ生きていたはずなんだよな〜」と悲しくなってきて泣いてしまった。

 

家族はあれ以来ヘレンの話をしないけど私もしないし、余りにも酷い死に方をさせてしまったから無意識に忘れようとしてたのかもしれない。今は違う犬を飼っているけど、その子もまた歳をとれば死んでしまうんだと考えたら辛くなってくる。飼わなければ良かったと思ってしまう時もある。動物が死ぬのは辛い。悲しい。謝って済む問題じゃないけど、ごめんねヘレン。

 

 

 

 

 

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